東京高等裁判所 昭和24年(新を)919号 判決 1949年11月12日
被告人
斎藤孝三
主文
本件控訴はこれを棄却する。
当審に於ける未決勾留日数中百日を被告人が言渡された懲役刑に算入する。
理由
弁護人桑名邦雄の控訴趣意第二点について。
起訴状記載の本件犯行の共犯者山下司郞はその本名が古川直美であることは原審記録によれば所論の通りであるが本件においては被告人の本件犯行は他の共犯者との共同正犯の関係にあることを示せば足りるのであるから他の共犯者の氏名が通称仮称であつてもその実在が明らかであれば判示事実としては欠くる所はない。記録によれば山下司郞は古川直美と同一人で実在のものであることが明らかであるから原判決には所論のような理由不備の違法はない。